モルタル壁の特徴やメリット、劣化のサインを徹底解説

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モルタル壁の特徴やメリット、劣化のサインを徹底解説

モルタル壁とは?

まず最初に、そもそも「モルタル壁」とはどのような外壁なのかを解説します。


モルタル壁の基本

モルタル壁とは、文字通りモルタルを使用した外壁のことです。

ではモルタルとは何かというと、水・セメント・砂を主に1:2:5の割合で混合した素材のことです。これを下地として塗り固め、表面を塗装して仕上げた壁が、モルタル壁です。

モルタルは仕上げ用の素材としてではなく、タイルやレンガを張る際の下地材としても用いられたり、外壁や内装壁の左官壁の下地材としても使われていたりします。モルタルは使い勝手が良く用途の広い素材なのです。

コンクリート壁との違い

モルタルは、よく「コンクリート」と混同されます。

素材の色が同じ灰色で、強度的にも近いためです。

たしかに同じ外壁材で見た目は似ていますが、実は使用されている素材に大きな違いがあります。

前項で述べたように、モルタルとはセメントと砂と水を混ぜ合わせたものですが、コンクリートの場合はセメントと砂と水、それに「砂利」を混ぜ合わせています。

つまり、モルタルとコンクリートの違いは、「砂利が含まれているかどうか」ということです。

コンクリートは砂利を含んでいることによって、モルタル以上の強度があります。

モルタル壁の種類について

ひと口にモルタル壁といっても、その「仕上げ方」にはさまざまなものがあります。

リシン

リシン

塗料を吹き付ける際に、塗料に細かい砂や石などを混ぜて吹き付けた仕上げ方です。

配合されている砂などの影響で、表面がザラザラとした見た目になります。

リシンは昔から使われてきた施工法で、工賃も比較的安く済むため、最もスタンダードな仕上げ方といえるでしょう。

ただし、表面がザラザラしていることによって、どうしても汚れやカビなどが発生しやすいというデメリットがあります。

スタッコ

スタッコ

セメントと骨材を混ぜた材料を表面に吹き付けて外壁を仕上げる工法です。

上記のリシンよりもさらに厚みを持たせたような仕上がりになり、重厚感だけでなく、高級感も表現できます。

厳密には、同じスタッコでも、素材を吹きつけたまま手を加えない「吹き放し仕上げ」と、吹き付けた素材が固まる前にローラーで凹凸を潰す「ヘッドカット(凸部処理)仕上げ」の2種類の仕上げ方があります。

リシン同様に凹凸が多いので外壁が汚れやすく、塗替えの際に塗料の吸い込みが激しいために塗料を大量に使用することになり、施工にも手間がかかるので、コストもかかる仕上げ方といえます。

吹き付けタイル

通常のタイル壁はタイルを張り付ける工法ですが、吹き付けタイルという工法はタイル材を専用の工具を使って吹き付けて仕上げる工法です。

砂などの素材が配合されていないため、表面はリシンなどと比較してツルツルしています。

塗装の際にシリコン系やフッ素系のトップコートを組み合わせることで耐久性を高めることができます。また表面がザラザラしていないので、塗料の量も抑えられます。

左官仕上げ

左官仕上げ

職人がコテを使って、表面に模様を作る仕上げ方です。

職人の腕によって表面にさまざまな模様を施すことができ、技術のある職人が行えば、ほかの仕上げ方よりも味わい深い仕上がりになるでしょう。

ただし、誰にでも簡単にできる工法ではないため、熟練の職人による仕上げでなければ意味がありません。

日本でモルタルが普及したのはなぜか

モルタル壁はもともとヨーロッパで主流だった外壁材です。日本には流入してきたのは明治時代のことでした。

従来の日本建築は、いうまでもなく木造建築です。しかし維新によって洋風建築が急速に普及していき、それにはモルタルが欠かせない素材でした。

木という燃えやすい素材で作られていた従来の建築は火災などの被害に弱く、さらに大正になると関東大震災が起こって、木造建築には甚大な被害が発生しました。このため、耐火性に優れているモルタル壁がますます注目されるようになったのです。

その後、建築基準法が制定されたことにより、モルタル壁は本格的に日本中に普及していくことになります。

こうしてモルタル壁は、1990年代まで、日本建築の主流素材としての地位を確立させました。

昨今ではサイディング外壁が増えていますが、現在でも古い質感をあえて出したいニーズに応えるためにモルタルが使用される新築は珍しくありません。

イロドリからのアドバイス

モルタル壁の仕上げ方には、吹き付けた後に何かしらの手を加える工法が多くみられます。
ただし、そうした手間が増えるということは、その分だけ人件費が発生するということなので、工賃はその分だけ高くなるということを念頭に置いて依頼しましょう。

モルタル壁の特徴やメリット、劣化のサインを徹底解説

モルタル壁のメリットとデメリット

どのような外壁材にも、強みとなるメリットと、弱点となるデメリットがあります。
メリットばかりに目を向けてしまうと、思わぬデメリットを見落として後悔することもあるでしょう。
双方を把握したうえで素材を決めることが重要です。

モルタル壁のメリット

モルタル壁には、以下のようなメリットがあります。

温かみのあるデザインになる

1つ目のメリットは「温かみのあるデザインになる」ということです。

表面に凹凸があるデザインは、のっぺりした外壁と比較して温かみを感じることが多く、和風建築にも洋風建築にも相性が良いため、使い勝手が良いというメリットがあります。

デザインに自由度が高い

2つ目のメリットは「デザインに自由度が高い」ことです。

外壁の色やデザインは、仕上げ方次第でさまざまな選択肢があり、理想とするデザインに仕上げてもらうことができます。

ただし、理想通りのデザインに仕上げてもらうためにはベテランの職人の技術が必要です。その分、施工業者の選定には気を配る必要があります。

耐火性が高い

3つ目のメリットは「耐火性が高い」ことです。

モルタルの主成分はセメントなどの不燃性の素材ですから、木造建築のように燃えやすくなることはありません。

モルタルは建築基準法においても「不燃材料」という最も火災に強い材料として認められています。

一定の基準を満たすと「耐火構造(準耐火構造)」として認定され、その場合、火災保険の保険料なども安くなる可能性があることは、メリットといえるでしょう。

サイディングのような継ぎ目がない

4つ目のメリットは「継ぎ目がない」ことです。

サイディングの場合、その工法の都合上、どうしても継ぎ目ができてしまうため、そこにコーキング材を充填して補っています。

コーキング材は経年によって劣化していくため、定期的なメンテナンスが必要になりますが、モルタル壁の場合は継ぎ目自体がないので、コーキングのメンテナンスは必要ありません。

モルタル壁のデメリット

一方でモルタル壁には、以下のようなデメリットがあります。

ひびわれしやすく、水が入り込んでしまう

1つ目のデメリットは「ひびわれしやすく、そしてひびわれると水が入り込んでしまう」ということです。

水を使用しているモルタルは、乾燥することでひびわれが起こる可能性があります。

基本的に頑丈な素材ではありますが、柔軟性がないため衝撃に弱く、特に経年劣化を起こしてしまっていると、地震や事故などの衝撃でひびわれを起こしやすくなるのです。

このひびわれを放置していると雨水などが入り込んでしまい、建物の耐久性に悪影響を及ぼす可能性も高くなります。

工期が長く、工賃が高い

2つ目のデメリットは、「工期が長くなりやすく、それゆえに工賃が高い」ことです。

モルタル壁は職人が手作業で施工する部分が多いために、どうしてもサイディング壁より工期が長引きやすくなります。

工期が長いということは、その分だけ人件費がかさむということですから、工賃の総額も高くなりやすいのです。

サイディングも種類によって価格相場が異なるので一概には言えませんが、モルタル壁は一般的なサイディングの1.5倍以上の価格相場になるでしょう。

表面に汚れが付着しやすい

3つ目のデメリットは「表面に汚れが付着しやすい」ことです。

前項で述べたように、モルタル壁の仕上げ方には何通りかありますが、多くの仕上げでは、表面に凹凸があってザラザラとしているものになります。

この凹凸には汚れが付着して残りやすくなり、洗い流そうとしても凹凸部分に汚れやカビなどが残りやすいため、美観を維持するにはこまめな清掃が必要になるでしょう。

イロドリからのアドバイス

モルタル壁は基本的に耐久性が高い外壁材ですが、適切なメンテナンスをしなければ劣化して大きな被害をもたらしてしまうかもしれません。
外壁塗装などのメンテナンスを適切なタイミングで実施して、その耐久性を維持しましょう。

モルタル壁の特徴やメリット、劣化のサインを徹底解説

モルタル壁のリフォームにかかる費用

自宅をリフォームする際に、外壁もリフォームを検討することは多いと思います。

リフォームの計画においては「予算」が最重要問題ですから、モルタル壁にリフォームするのにかかる費用が気になるのではないでしょうか。

そこで「塗り替え」と「張り替え」の2つのパターンで、モルタル壁のリフォームにかかる費用について解説します。

モルタル壁の塗装工事(塗り替え)

モルタル外壁の塗り替え工事にかかる費用ば、ケースバイケースではありますが、30~40坪の住宅で約70~120万円ほどです。

次項の「張り替え工事」よりは費用を抑えられます。

モルタル壁の張り替え工事

モルタル外壁を「張り替え工事」する場合は、同じ坪数でも200~300万円ほどの費用が必要になるでしょう。

劣化がひどいモルタル外壁の場合だと、塗り替えだけでは十分なリフォーム効果を得られないため、築年数が経過しているような場合は、張り替え工事を検討してください。

イロドリからのアドバイス

外壁の状態は素人では適切に判断できません。
適当な基準しかもっていないのに判断するのは非常に危険です。
外壁の専門家であるプロの業者にご外壁の状態をチェックしてもらい、どちらの工法が適切かを判断してもらってください。

モルタル壁の特徴やメリット、劣化のサインを徹底解説

モルタル壁の劣化サインとメンテナンス方法

外壁の状態を見ただけでは、いつ頃になったらメンテナンスが必要になるかを判断するのは難しいでしょう。一概に「何年経過したらメンテナンス」と言い切ることもできません。

しかし、劣化した外壁は常にそのサインを出しているので、それを見逃さないように適切な外壁のメンテナンス時期を決めましょう。

ひびわれ(ヘアークラック、構造クラック)

クラック

1つ目の劣化サインは「ひびわれ」です。

ひびわれは「クラック」とも呼ばれますが、文字通り外壁にひびが入った状態のことです。ひびわれを放置するのは大変危険です。

・ヘアークラック:幅0.3mm以下、深さ4mm以下のひびわれ
・構造クラック:幅0.3mm以上、深さ4mm以上のひびわれ

ヘアークラックの場合はまだ緊急性は高くありませんが、外壁塗装の際には補修が必要です。

構造クラックまでくると、建物内部まで雨水が侵入する可能性もあるので、発見したら可能な限り早めに補修をしましょう。

チョーキング

チョーキング

2つ目の劣化サインは「チョーキング」です。

これは壁の表面に触れると手にチョークの粉のようなものが付着する状態を指します。

粉の正体は紫外線によって塗料の樹脂が劣化したもので、塗膜の防水機能が失われていることを意味しています。

モルタル壁の主成分はセメントなので、外壁塗装による防水機能が失われてしまうと雨水が壁の内部に浸入してしまうのです。

チョーキングを確認したら、早めに外壁の再塗装を計画することをおすすめします。

雨だれ

3つ目の劣化サインは「雨だれ」です。

これは降った雨が外壁を伝い、筋状の汚れとなったものです。窓の開口部などの平面に溜まったほこりや汚染物質が雨水によって洗い流されたことで雨だれになります。

場合によってはさらに油分が混ざる場合もあり、そうなると除去するのは簡単ではありません。

雨だれそのものが外壁や建物の耐久性などに影響することはありませんが、建物の美観を大きく損なってしまいます。

外壁塗装によって美観を取り戻すことをおすすめしますが、その際には汚れが付着しにくい「低汚染塗料」を使用するのがいいでしょう。

コケ・藻

コケ・藻

4つ目の劣化サインは「コケ・藻」です。

塗膜が劣化してその防水機能が低下すると外壁に水が滞留してしまいます。そこにコケ・藻が発生します。

コケも藻も美観を損ないますが、それだけでなく、コケは「根酸」という酸性物質を放出し、アルカリ質であるセメントを中性化させて構造を脆くさせるので、非常に厄介です。

コケや藻が付着した外壁も、できれば再塗装を検討するべきです。応急処置としては、高圧洗浄機を使用して洗い流すのがおすすめです。

浮き・剥がれ

浮き・剥がれ

5つ目の劣化サインは「浮き・剥がれ」です。

塗膜の経年劣化により外壁表面に対する付着力が低下し、素地から塗膜が浮き上がったり、さらに悪化すると塗膜が剥がれてしまうという現象です。

ここまで劣化が進行している場合、塗膜には外壁を保護する機能がほとんど残っていない状態です。

塗膜が剥がれた部分からは雨水が浸入してしまうため、早急に再塗装を実施する必要があります。

イロドリからのアドバイス

外壁塗装の寿命は、使用している塗料の種類にも依存します。
安い塗料だと施工費用は抑えられますが、その分、耐用年数が短いため、すぐに再塗装が必要になるでしょう。
最新の塗料はコストがかかりますが、耐用年数が長くさまざまな機能も有しているので、再塗装の際は塗料の種類にも注目してください。

モルタル壁の特徴やメリット、劣化のサインを徹底解説

【まとめ】外壁は素材の特徴を把握して選定を

モルタル壁は日本人が長らくお世話になってきた外壁材です。モルタル壁にはさまざまなメリットがありますが、デメリットも少なくありません。

現在では主流でない外壁材ではありますが、メリットに魅力を感じたら、モルタル壁で新築やリフォームを検討してみるのも良いでしょう。

モルタル壁のメリットを最大限生かすためには、適切なタイミングで外壁塗装を行うことです。劣化のサインを見つけたらできるだけ早めに再塗装を検討しましょう。

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