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外壁塗装に使用できる塗料にはさまざまな種類のものがありますが、そのひとつに「弾性塗料」というものがあります。弾性塗料の特徴を理解して利用すれば大きなメリットがあります。
本記事では、弾性塗料のメリット・デメリットについて解説します。
「弾性塗料」のメリットとデメリット
まず、弾性塗料という塗料がそもそもどのような塗料なのかということを解説しましょう。
「弾性塗料」とは、ゴムのような弾力性と伸縮性を備えている外壁塗装用の塗料です。
一般的な外壁塗装用塗料には、そのようなゴムのような特性はありません。弾性塗料は、「可塑剤」という添加剤を混ぜることによってそのような特性を獲得しています。
このような特性のために、他の一般的な外壁塗装用塗料に比べて、外壁施工に弾性塗料を用いることは高い塗装技術が必要になります。よほど高い施工技術があるという人でなければ、弾性塗料の外壁塗装はプロである塗装業者に任せた方が良いでしょう。
弾性塗料には、大きく分けて「高弾性塗料」と「微弾性塗料」の2種類があります。
高弾性塗料は、弾性塗料の中でも特に弾力性が高い塗料です。弾性塗料としての特徴を強く表現できます。
微弾性塗料の方は、弾性塗料としては比較的弾力性が弱い塗料です。耐久性が乏しいので、弾性塗料としての機能を十分に生かすためには、定期的な外壁塗装を繰り返す必要があります。
どちらの弾力性がいいのかということはいちがいには言えず、ケースバイケースです。予算も考慮しつつ、塗装業者と話し合ってどの弾性塗料を使用するのかを決めましょう。
弾性塗料を使用するには、大きく3種類の施工方法があります。
施工内容や施工後のメリット・デメリットを業者と相談し、どの施工方法で塗装してもらうかを決めましょう。
「単層弾性工法」は、シーラー(下塗り剤)を塗った後に、その上から単層弾性上塗り塗料を2回塗る工法です。
後述する工法と比較すると、工期が短くて済むだけでなく、施工費用も安く抑えられるというメリットがあります。
ただし、後述の工法よりも塗膜の耐久性が低く、使用する塗料にもよりますが5年前後で弾力性が失われて、弾性塗料としてのメリットが失われます。
もちろん再施工すれば弾性塗料の強みは復活しますが、施工のたびに費用が発生しますので、結果的に費用が割高に感じてしまうことになります。
「複層弾性工法」は、シーラーを1回塗り、その上から高弾性塗料を2回塗って仕上げの塗料を2回塗る工法です。合計で5回の塗装作業を行います。
単層弾性工法よりも塗膜の耐久性が高くなり、弾性塗料としての性質を10~20年維持できるとされています。
再施工が必要になるまでの期間が長いので、長期的に見れば施工費用を節約できますが、手間がかかる工法なので、1回の施工費用は単層弾性工法よりも大幅に高くなります。
このため、この工法を取り扱っていない業者も少なくありません。
「微弾性塗料工法」は、微弾性フィラーという下塗り材を塗ってから、上塗り用の塗料を2回塗装する工法です。
上塗り用の塗料ではシリコン塗料やフッ素塗料などの一般的な塗料を使用するため、弾力性があるのは下塗り材の微弾性フィラーだけです。
弾力性の維持は上述の2工法よりも短く、長くても3年程度で塗膜の弾力性が損なわれます。
ただし、上塗り材の塗膜が維持できていれば外壁の保護機能はそのまま残るため、単層弾性工法のように短いスパンで再施工しなければならなくなることはありません。
弾性塗料を使用して外壁塗装を業者に依頼する場合は、「悪徳業者」に注意する必要があります。
悪徳業者はえてして弾性塗料を使用するところが多く、本来必要な量の半分程度にまでケチって施工するため、期待していた弾力性や耐久性を実現できません。
そもそも、弾性塗料ではない一般的な塗料を弾性塗料と偽って施工することもあります。
後者の場合は、塗料缶を見て確認すれば、詐欺に遭わないようにしてできます。
前者の場合は、ちょっとしたコツを覚えておいてください。
それは、業者が使用した塗料缶の「空き」の数を数えておき、それが見積もりに記載してあった内容と食い違っていないかどうかを確認することです。
いずれにしても、「飛び込み営業で施工を勧められた」「やたらと契約を迫ってくる」といった特徴に当てはまる悪徳業者の施工には、十分に注意することをおすすめします。
必ずしも大手だったり知名度が高かったりする塗装業者のほうが良いわけではありませんが、費用面など考慮して、業者選定の際の比較ポイントにしてください。
「弾性塗料」のメリットとデメリット
ここまでで、弾性塗料の基本はご理解いただけたと思います。
次は弾性塗料を外壁塗装に使用する具体的なメリットを解説します。
以下の弾性塗料のメリットを魅力的に感じた方は、次の外壁塗装時にはぜひ弾性塗料を試してみてください。
弾性塗料の1つ目のメリットは「外壁のひび割れを防ぐ」ことです。
厳密に言うと、ひび割れを防ぐというより、「外壁のひび割れを目立たせない」ことです。
弾力性が高い弾性塗料は、外壁にひび割れが発生した際に、伸びることにより、ひび割れが露出してしまうことを避けることができます。
ひび割れは、外壁にはつきものです。
どのような素材で作った外壁も、経年劣化や地震、道路を走行する自動車の振動などの影響によって、いつかは必ずひび割れを起こしてしまいます。
しかし、ひび割れは言うまでもなく見た目が良くありません。なるべくそれを目立たなくしたいと誰もが考えるでしょう。
弾性塗料で塗装された外壁は、ひび割れの発生時に塗膜が伸びてくれるため、伸びた部分が外壁のひび割れを覆い、ひび割れが露出しません。
もちろん、顔をくっつけて至近距離で見ればひび割れがあることはわかってしまいますが、遠目ではわかりにくいレベルですから、外観の悪化というひび割れのデメリットは大幅に回避できるのです。
上記のような特性があるため、弾性塗料は「モルタル外壁」などのような、ひび割れリスクの高い外壁の塗装に適しています。
塗膜に弾性がない塗料を外壁に使うと、いくらグレードの高い塗料でも、ひび割れたら塗膜も割れてしまい、ひび割れが露出してしまいます。
弾性塗料で外壁塗装すれば、ひび割れリスクの高い外壁でも外観が悪化してしまうリスクを最小限に抑えられるでしょう。
弾性塗料の2つ目のメリットは「防水性が高い」ことです。
弾性塗料は「外壁に密着する」という特性があるため、塗膜と外壁の間に水が入り込みにくくなります。
それがなぜメリットかというと、外壁に直接水が当たると外壁が劣化しやすくなるからです。
弾性塗料は外壁に密着し、雨水などが入り込むスペースをなくすので、外壁を水から守ることができるわけです。
弾性塗料は「施工時に厚めに塗装する」必要があります。そのため塗膜が厚くなり、防水性はさらに高まります。雨風の強い地域にお住いでもしっかりと外壁を守ってくれるでしょう。
ただし、弾性塗料の扱いになれた塗装技術を持っていないと、防水効果も十分に発揮されません。信頼できる業者に任せる必要があります。
弾性塗料は前述のとおり「ひび割れに追従して伸びる」ため、ひび割れが発生しても、そこから雨水が侵入するのを防いでくれます。
雨水はひび割れから侵入してきますので、ひび割れを放置すると外壁がどんどん劣化してしまいます。
ひび割れの発生時に追従してひび割れを覆うことができる弾性塗料は、ひび割れが露出しないので、伸びた被膜が雨水の進入をしっかりと防いでくれます。
弾性塗料の3つ目のメリットは「施工方法を変えることで特性を変えられる」ことです。
前の項で説明したように、弾性塗料には3つの施工法があります。
「施工費用」や「耐用年数」が異なる施工法が複数あるということは、予算や外壁防護の機能性などを考慮して、最適な施工法を選択できる柔軟性があることになります。
モルタル外壁はひび割れリスクが高いという以外にも、「吸水性が高い」という特徴があります。
それも考えると、ひび割れ対策と防水性を兼ね備えた弾性塗料はモルタル外壁と非常に相性が良いことになります。
「弾性塗料」のメリットとデメリット
弾性塗料にはメリットしかないわけでなく、デメリットもあります。
弾性塗料の1つ目のデメリットは「耐用年数が比較的短い」ことです。
主原料となる樹脂素材の特性や、施工方法によっても耐用年数は変動しますが、非弾性塗料と比べて、耐用年数は数年単位で短くなります。
さらに施工法によっては数年で弾性塗料としての強みを失ってしまい、相応の頻度で塗り直しが必要になるでしょう。
施工方法次第では耐用年数を伸ばすこともできますが、その場合は1回あたりの施工費用が高額になってしまいます。
弾性塗料の2つ目のデメリットは「膨らみやすい」ことです。
塗料が「膨らむ」のは、「通気性が悪い」からです。
弾性塗料は一般的に通気性が悪く、外壁内部からの空気や湿気を外に逃がすことが難しいのです。
そのため、内部から来た空気や湿気によってその部分が膨らんでしまい、外観が悪くなることがあります。
ただし、最近では通気性の問題をクリアしている弾性塗料もあります。
弾性塗料の3つ目のデメリットは「外壁塗装の施工が難しい」ことです。
特に弾性塗料を何層も塗装して仕上げる施工法で塗装する場合、弾性塗料の扱いに慣れたベテランでなければ失敗する可能性が高いでしょう。
外壁塗装は、塗料ごとに特性があり難易度が異なりますので、塗料ごとの施工経験が豊富かどうかということで、仕上がりのクオリティが大きく変わってきます。
弾性塗料で外壁塗装を依頼するなら、弾性塗料の外壁塗装の施工経験が豊富な業者を選定しましょう。
当然ですが、施工経験がほとんどない方がDIYで外壁塗装することは諦めることをおすすめします。
弾性塗料の4つ目のデメリットは「窯業系サイディングボードに使用できない」ことです。
サイディングボードと弾性塗料の相性が悪いのは、「熱」の問題があるからです。
サイディングボードには「断熱材」が含まれています。このため夏場などには熱がこもり、かなりの高温になります。
一方、弾性塗料は熱に弱いため、サイディングボードの熱で膨らんでしまい、見た目がかなり悪くなってしまう可能性があるのです。
塗膜の膨れが起きてしまうと下地に密着しませんので、塗膜の剥がれや破れの原因にもなってしまいます。
サイディングボードを弾性塗料で塗装しても、弾性塗料のメリットは活かされません。
なぜなら、サイディングボードにはもともとひび割れしにくいという特徴があるからです。これは、サイディングボードの目地にゴム質の「コーキング材(シーリング材)」が充填されているためです。
つまり、弾性塗料がせっかく持っている「ひび割れを目立たなくさせる」というメリットが、サイディングボードではあまり生かせないのです。
多くの場合、外壁塗装の耐用年数は使用する塗料と施工法に依存しています。
しょっちゅう再施工することになるのは御免だという人には、耐久性の高い塗料で耐用年数の長くなる施工方法を選択することをおすすめします。
ただしコストはその分高くなることを覚悟しなければなりません。
「弾性塗料」のメリットとデメリット
弾性塗料には大きなメリットもありますが、デメリットがないわけでもありません。
利用するにあたっては、どちらもしっかりと理解して、納得したうえで弾性塗料を用いた外壁塗装を検討の選択肢に含めましょう。
その他の塗料の特徴については、コラム一覧に掲載されておりますので、そちらもご覧になってください。
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