ホームセンターの外壁塗装がオススメできない３つの理由

冒頭からホームセンターを否定するような話し方をしてしまいましたが、私も公私ともにホームセンターにはお世話になっていて、大好きな場所です。

あなたも家具をはじめ、お家周りの物を見るならホームセンター行きますよね。

DIYが好き、という人であれば、ホームセンターに行くのが楽しくてしょうがないのではないでしょうか。

こういった日常生活の中でもしかしたら外壁塗装もDIYでできないか？と検討したことがある人もいるかもしれません。

費用も100万円くらいはかかるのでそう考えるのもうなずけます。

ただ、安全面と知識面を考えると、一般的に外壁塗装のDIYはコスパが悪く、敷居が高いといわれています。

そこで、選択肢に上がるのがホームセンターを介して外壁塗装をする、ということでしょう。

ただ繰り返しですが、ホームセンターで外壁塗装することはオススメしません。

確かに、いつも通っているホームセンターにお願いしたくなるのはわかります。

しかも安いんです。さらに！安くできる、ちゃんとした理由もあります。

ホームセンターが外壁塗装を安くできるのは大きく、２つの特徴があるからです。

大量に塗料の在庫を仕入れらるので材料費を安くできる

エアコンを購入するときに1台だけ買うよりも2台、3台と購入したほうが安くしてくれるのと一緒です。

例えば私が塗料メーカーに発注するときに、「1缶買うから10％値引いてくれ！」と言って値引いてくれなくてもホームセンターが「100缶買うから15％値引いてくれ！」と言ったら値引いてくれそうですよね。

大量仕入れができる理由は２つです。

■ 大量仕入れができる理由 ①

・在庫ストックするための膨大なスペースがある点
・全国で使える点

この２つの理由により大量仕入れができ、材料費が安くできるわけです。

■ 大量仕入れができる理由 ②

2つ目が営業しなくても外壁塗装したいお客さんが店に来るため、営業コストが抑えられ、低価格で提供ができます。

勝手にお客さんが来る、というのはまさに夢のような話で、私たちのような外壁塗装専門店が一番、苦労しているところです。

もちろん、飲食店でも美容院でも商売をしている人、全ての人に共通した悩みと言っても良いでしょう。

ホームセンターの場合は元々、家のアレコレに興味がある人が来店しているので

・特売チラシの右下に広告を掲載する
・DIYコーナーに大きな看板を設置する

上記のようなことをするだけで宣伝ができてしまいます。

私たちと比較すると「集客」という意味ではかなり効率的な営業ができることがわかります。

なので営業コストを抑える、つまり低価格で外壁塗装ができます。

以上、2つの理由もあって、ホームセンターの外壁塗装が安いことは納得感があるのではないでしょうか。

ただ、物事は表裏一体です。

この２つのメリットはデメリットにもなりえます。

ということで、この「安くて安心できる」気がするホームセンターでの外壁塗装、なぜ、おすすめしない！と言っているのか、３つのデメリットに分けて、解説していきます。

最初に結論です。

ホームセンターで外壁塗装をするときのデメリットが３つあります。

デメリット ①
限られた塗料の種類と色しか選べない

メリットである大量ストックをする事でコストを低減する反面、

限られた塗料の種類と色しか選べなくなります。

基本的にセットプランになるので、

・長持ちさせたい
・おしゃれにしたい
・汚れにくくしたい

など、目的に応じた塗料が選べない可能性がある事です。

例えば、

・30年持つ高耐久塗料が選べない
・３００色あるうちの３０色からしか選べない
・コケやカビがつきい塗料／セルフクリーニング付きの塗料等、様々な機能を持つ塗料が使えない

等があります。

そのため、「せっかく塗りなおすなら、こんな感じにしたい」といったイメージがある場合には、希望が叶わないこともあるでしょう。

デメリット ②
手抜き工事のリスクをはらんでいる

営業コスト削減するために坪パック料金で提示しているため、塗装面積の誤差が生じ、塗料が足りないから薄めるなど、手抜き工事のリスクをはらんでいる事です。

事前の調査や見積もり方法は非常に重要です。

もちろんホームセンター側にも、そういったリスクを考慮した「ルール」が用意されていることでしょう。

ただ、そのルールを守るか、守られているかをチェックするのも人間です。

例えば、原付バイクの2段階右折のように守るのがめんどくさいルールがありますよね。

警察つまりチェックする人がいなかったらどうでしょうか。

守らない人が増えて事故が多発するかもしれません。

料金体系が手抜き工事のリスクをはらんでいるので、ホームセンターのルールを守るかチェックする管理体制がどうなっているのか、必ず確認してみるようにしましょう。

デメリット ③
欠陥工事を引き起こす可能性がある

坪パック料金プランにしているため、誰でも販売できる体制になっている反面、従業員が外壁塗装の専門家ではなく、

・外壁塗装の知識なしに販売している
・ほかの仕事がたくさんある

ということが想定されます。

結果として、意図せず、欠陥工事を引き起こす可能性がある、ということです

この3つ目のデメリットこそが今回のコラムで一番重要なポイントです。

ホームセンターで相談する限り、対応するのはホームセンターの従業員です。

もしかしたら外壁塗装会社で働いていた人を「わが社の命運は君に賭ける」とヘッドハンティングしてきている可能性もゼロではありません。

しかし全国にたくさんの店舗を持つ会社にできることとは思えません。

むしろ多くの従業員の仕事は外壁塗装以外のことが9割以上です。

外壁塗装は知識不足の従業員も多いのではないのでしょうか。

もしかしたら、もしかしたらですが、ホームセンターの従業員さんよりも、このコラムで外壁塗装の勉強をしているあなたのほうが詳しい可能性さえあります。

ちなみに、品質を確保するうえで欠かせないのが、検査体制の有無です。

検査体制があるとすれば、ホームセンターの従業員さんが検査するわけですが、他の仕事が9割以上を占めている従業員さんに何時間もかけて現場に行かせて検査をさせるのは酷な話であり、現実問題難しいのではないでしょうか。

検査品質は塗装品質に直結するので、ぜひ、確認しておきたいところです。

さらに、従業員だけでなく、そもそもの体制がデメリットにもなります。

坪パック料金プランにもいくつかパターンがあり、お家に合ったプランを選ぶはずです。

そこで大事なのが、下塗り材の選定と下地処理の状態に合わせた項目です。

塗装工事において、下地処理は最重要工程です。

そのお家の下地の材質や状態に合わせた材料を選び適切に処理してから塗装することが、外壁塗装の専門家の重要な役割です。

ホームセンターの坪パック料金のパターンの5つや６つで、下地の材質や状態に合わせた材料を選ぶことができるわけがありません。

もしかしたら、下地でそんなに変わるの？と思われた方もいるかもしれません。

ちょっと想像してみて下さい。

こんな吸盤のついたフックがありますよね？

これはガラスやプラスチックにはつきますが、壁紙にはつきません。

壁紙には画鋲のついたフックを使わなければいけません。

これと同じように外壁もそれぞれの外壁の下地にくっつく下塗り材を使わなければ意味がありません。

つまり知識がない人が提案した場合、意図せず欠陥工事を引き起こし、1年ではがれてしまう可能性もあります。

以上、3つがデメリットです。

根本は、「ホームセンターが頭に立って提案をしている」ことです。

もう少しかみ砕くと、四六時中、外壁塗装の勉強をしているわけでもなければ売上の多くを占めているわけでもありません。

冒頭に紹介した、材料費が安い・営業コストが安い、というメリットが原因となり、デメリットを生み出している、ということがなんとなくわかっていただけたのではないでしょうか。

では最後にホームセンターで外壁塗装をすると得する人について説明します。

ずばり「自分が外壁塗装の専門化として立ちまわれる人」です。

具体的に言うと、「自分で家の外壁の材質・状態を隅々まで把握しつくし、提案された商品の特性や仕様をすべて調べ、間違いがあれば指摘でき、なおかつ工程を把握し、工事中に適切な処理や作業がなされているかをチェックできる人」です。

これができれば、ホームセンターでの外壁塗装は最良の一手となるでしょう。

ただ、多くの人にとって非常にハードルの高い事です。