外壁塗装で「無機塗料」を使用するべき?
メリットや費用相場を解説

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外壁の状態を良好に保つには、適切な時期の外壁塗装は欠かせません。

その塗料にはさまざまな種類のものがありますが、そのひとつに「無機塗料」と呼ばれるものがあります。あまり耳慣れない名称ですが、無機塗料にはどのような特徴があるのでしょうか。

本記事では、無機塗料を用いるメリットや費用相場、無機塗料を用いた外壁塗装を行う前に知っておくべきことについて解説していきます。

外壁塗装で「無機塗料」を使用するべき?
メリットや費用相場を解説

無機塗料の基本知識

冒頭にも書きましたが、「無機塗料」という名称を知っている人はあまりいないでしょう。

そこで、無機塗料とはどのような塗料なのか、基本的なことから解説しましょう。


塗料には「無機塗料」と「有機塗料」がある

一般的に使用されている外壁塗装用の塗料は、実は「無機塗料」と「有機塗料」の2種類に分類することができます。

その名前の通り、最大の違いは「塗料の主成分が無機物であるか、有機物であるか」ということです。

有機塗料の主成分は「樹脂」です。

・シリコン塗料
・アクリル塗料
・フッ素塗料

など、主成分として使われている樹脂の名前がそのまま塗料の種類になっています。

この主成分がそのまま塗料としてのグレード・品質に直結しており、外壁を塗装する際の耐用年数や性質などにも影響します。

無機塗料の主成分は樹脂成分などの「有機物」ではなく、ガラスなどのような無機物が使用されていることが特徴です。

無機塗料にも有機物は含まれている

上のように説明すると、無機塗料には有機物がまったく使用されていないのかと思ってしまうのですが、多くの場合、実はそんなことはありません。

それは主成分が無機物オンリーだと、塗料として必要な粘着性などの性質を確保できないからです。

ですから、少なくない無機塗料に、樹脂などの有機物が使用されています。

誤解を招きやすいということからなのか、無機塗料を「無機有機塗料」「無機ハイブリッド塗料」といった呼び方をすることもああります。

実は、法律上で、何かが何%以上の含有量であれば無機塗料であるというような明確な基準はないのです。

有機塗料の主成分である(無機塗料にも含まれていますが)樹脂などの有機物の成分は、有機物ゆえに劣化してしまうことが避けられません。

外壁を良好に保つために外壁塗装を定期的に行う必要があるのはそのためです。

有機塗料に比べると無機塗料が含有する有機物は少ないため、劣化という点においては有機塗料よりもメリットがありますが、だからといって、有機物をまったく含んでいないものの場合は、いつかは劣化してしまうことでは同じです。

この点は重要なことなので、ぜひ覚えておいていただきたいことです。

無機塗料にはどんなものがあるのか?

上にも述べたように有機塗料の主成分は樹脂ですが、無機塗料の主成分は鉱物などの無機質です。

・セラミック
・ケイ素
・ガラス
・タイル

といった無機物が多く使用されています。

また、

・水性系か
・溶剤系か

ということによっても違いがあります。

各メーカーのホームページをチェックすれば、各塗料が上記のいずれに該当するのかを知ることができます。気になる方はチェックしておきましょう。

イロドリからのアドバイス

有機成分が含まれていない無機塗料を探す場合には「完全無機塗料」というワードで検索してみてください。
メーカーによって呼び方は異なりますが、「完全無機塗料」「水性完全無機」といった名称で説明しているはずです。

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メリットや費用相場を解説

無機塗料の特徴は
外壁塗装に適しているか

前の項で、無機塗料は有機塗料よりも劣化しにくいと書きましたが、無機塗料には他にもさまざまなメリットがあります。ただしデメリットもありますので、外壁塗装に用いるときには、双方のバランスを考慮しましょう。


無機塗料のメリット

無機塗料は、主成分が樹脂ではないことにより、性質面でさまざまなメリットがあります。

無機塗料のメリット ①
■ 外壁塗装の耐久性が高い

無機塗料は有機塗料よりも有機物の含有量が少ないため、耐候性が高く、劣化しにくいとされています。

耐久性の目安としてよく言われることは、「塗装後20年以上保つ」ということです。無機塗料で一度塗装すれば、そうした長い期間にわたって外壁塗装を行う必要性から解放されます。

頻繁に業者を呼んで外壁を塗装しなおさなくても済むというのは、大きなメリットといえます。

無機塗料のメリット ②
■ 外壁に汚れが付きにくい

無機塗料は静電気が発生しにくく、親水性に優れていますので、汚れに強い性質をもっています。

かりに汚れてしまっても散水や雨によってセルフクリーニングされるという効果を期待できるので、とかく大がかりになりがちな外壁の清掃作業を行う必要は少ないでしょう。

外壁の汚れの悩みのひとつはカビや藻が付着することですが、無機塗料にはそれらがエサとする有機物の含有量が低いため、カビ・藻の発生を抑えることにつながります。

地域によっては、湿度や風通しの関係で外壁にカビや藻が発生しやすいところもありますので、そういった地域にお住いの場合には建物の美観を維持しやすいことはメリットと言えるでしょう。

無機塗料のメリット ③
■ 外壁が燃えにくくなる

無機塗料は無機物が主成分であるため、有機塗料よりも燃えにくく(難燃性がある)、外壁塗装に用いれば、炎から建物をしっかりと守ってくれるでしょう。

ただし、何度も言いますが、ほとんどの無機塗料には有機物が含まれていますので、「燃えるリスクがまったくない」というわけではありません。

無機塗料のデメリット

このようなメリットがある無機塗料ですが、以下のデメリットについてもきちんと考慮して外壁塗装に利用する必要があります。

無機塗料のデメリット ①
■ 外壁塗装にかかるコストが高い

外壁塗装に無機塗料を使用する場合、一般的な有機塗料と比べて単位面積あたり2~3倍のコストがかかってしまいます。

外壁の面積が大きいとばかにならない金額になることもあるでしょう。

ただし前述のように、有機塗料と比較して数倍の耐用年数があるので、コストパフォーマンスは決して悪くありません。

無機塗料のデメリット ②
■ 外壁に確実にツヤが発生する

外壁塗装に用いられる塗料には「ツヤ」のあるものとないものがあります。

無機塗料は確実にツヤが発生する塗料です。塗装の仕方によってある程度は調整できますが、完全にツヤをなくすことはできません。

好みの問題でもありますが、もし「ツヤがある外壁はなんとなく安っぽく見えてイヤだ」という人にとっては、デメリットになる特徴と言えるかもしれません。

無機塗料のデメリット ③
■ 外壁がひび割れしやすい

無機塗料は施工後の塗膜が硬くなるという特徴があります。このため、塗膜の表面にひび割れが起きやすくなります。

地震が多かったり外壁のひび割れリスクが高い地域では、ちょっと気になるデメリットになるでしょう。

もちろん、きちんと下地の塗り替えをしておけば、ひび割れのリスクはある程度抑えられます。

無機塗料のデメリット ④
■ 外壁塗装の技量が問われる

無機塗料に限った話ではありませんが、機能性の高い塗料は、その機能性をしっかりと発揮させるために「施工の技量の高さ」が求められます。

素人の方が日曜大工感覚で適当に塗料を塗りたくると、無機塗料の良さは活かされないのです。

無機塗料での塗装は、外壁塗装のプロに依頼することをおすすめします。

業者に塗装を依頼する場合でも、技量の伴わなっていない業者に任せてしまうと、低品質な仕上がりになってしまう可能性があります。

加えて、無機塗料は表面が密着しにくい性質があるため、「再施工が難しい」という特徴があります。失敗時のリスクが大きい塗料なのです。

イロドリからのアドバイス

特徴を説明するのに、デメリットの方が数が多くなってしまいました。
しかし、これらのデメリットは施工者の技量である程度回避できるものです。
重要なことは、メリットとデメリットのバランスを考慮することです。
業者やメーカーに問い合わせて、しっかりとした情報を把握しながら比較検証しましょう。

外壁塗装で「無機塗料」を使用するべき?
メリットや費用相場を解説

無機塗料での外壁塗装の
費用相場と耐久性

前の項にも書きましたが、無機塗料は有機塗料よりも費用が多くかかります。

ただし、「耐久性が高い」という特長もありますので、いわゆる「コストパフォーマンス」で判断すべきと考えます。

無機塗料の費用相場と耐久性を、もう少し具体的に解説していきましょう。

無機塗料の費用相場

無機塗料は、製品によって金額は異なりますが、外壁1㎡あたりの塗装にかかる費用の単価は5,000円前後になるのが一般的です。

一般的な有機塗料の単位面積あたりの塗装費用相場が、安いもので1,500円前後、高いものでも3,000円前後ですので、単純計算で2~3倍の塗装費用が発生することになります。

無機塗料の耐久性・寿命

一般的な使用環境・塗装条件において、無機塗料を用いた外壁塗装は20~25年の耐用年数があるとされています。

塗料全般で見るとこの耐用年数はかなり長いと言えます。

「何十年も保つ」と言われるような新しい塗料が次々と発売されますが、実際にその年数を経過してみないと本当かどうかわかりません。それに比べると、無機塗料は決して新しい塗料ではありませんので、上記の数字は比較的信頼できるものだと思います。

無機塗料のコストパフォーマンス

コストが高いけれども耐用年数が長い、ということは「外壁塗装としてのコストパフォーマンスの良さ」が重要になりますね。

具体例を出して比べてみましょう。

塗料 塗装費用 耐用年数 コスパ
アクリル塗料 1,500円/㎡ 5〜7年 300円/年
シリコン塗料 3,000円/㎡ 10〜15年 300円/年
無機塗料 5,000円/㎡ 20〜25年 250円/年

上記のように、無機塗料は有機塗料よりも2割ほどコストパフォーマンスが良いことがわかります。

「たかが1年あたり50円」と思われるかもしれませんが、上記は1㎡あたりの計算です。塗装面積が広ければ広いほどコストパフォーマンスの良さが反映されますので、決してばかにはできません。

イロドリからのアドバイス

上記は一般的な数値例を挙げて説明しています。
使用する塗料や塗装条件、使用環境などによって数値は変動しますので、目安として考えてください。
とはいえ、適切な塗装ができれば無機塗料が高コストパフォーマンスを発揮しやすいことは確かです。

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メリットや費用相場を解説

無機塗料を扱っているメーカー

外壁塗装に無機塗料を使用すると決めたら、次にどこのメーカーの塗料を使うかということを考えましょう。低品質な無機塗料を使うと、後悔する結果に終わるかもしれません。

大手を中心に、信頼できるメーカーから販売されている無機塗料は安心できますが、知名度で絞っても、それなりの数の無機塗料メーカーがありますので、きっと迷ってしまうと思います。

主な無機塗料を取り扱っているメーカーを紹介しましょう。


日本ペイントの無機塗料

日本ペイント

日本ペイントは、東京都品川区に本社を置く、塗料の製造および販売を手掛ける会社です。

「パーフェクトセラミックトップG」と「アプラウドシェラスターⅡ」という無機系塗料を扱っています。

日本ペイントグループは創業から140年を迎える企業です。SDGs・ESGの視点を経営の中核に位置付けて社会への責務を果たした上で「株主価値の最大化」を推進しています。

関西ペイントの無機塗料

関西ペイント

関西ペイントは、大阪市中央区に本社を置く、各種塗料の製造・販売を手掛ける会社です。

「ダイナミックMUKI」という無機塗料を扱っています。

会社設立から100年以上の歴史があり、建築用の他にも自動車用や船舶用、家庭用の塗料も取り扱っている会社です。

エスケー化研の無機塗料

エスケー化研

エスケー化研は、大阪府茨木市に本社を置く、塗料や建材の製造販売を手掛ける会社です。

「スーパーセラタイトF」という無機塗料を扱っています。

会社設立は昭和33年と上記2社よりやや歴史は浅いですが、60年以上の歴史の中で海外拠点も数多く構えている会社です。

アステックペイントの無機塗料

アステックペイント

アステックペイントは、福岡県糟屋郡に本社を置く、塗料輸入・製造加工・販売を手掛ける会社です。

「無機ハイブリッドウォール」という無機塗料を扱っています。

2000年設立と比較的新しい会社ですが、オーストラリア商品を幅広く日本国内に広めたことに対して「IMPORT AWARD」という表彰を受けている会社です。

イロドリからのアドバイス

これらの企業以外でも無機塗料を扱う会社はたくさんあります。
上記では大手を中心に紹介しましたが、これはやはり大手には安心感があるからです。
中には有機原料の配合量などの点で不安を感じる無機塗料もありますので、しっかりとした品質のものを選びたいなら大手の塗料が無難というのが実際のところでしょう。

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メリットや費用相場を解説

【まとめ】無機塗料を使った
外壁塗装はプロに依頼を

無機塗料には多くのメリットもありますが、無視できないデメリットもあります。外壁塗装に無機塗料を使用することを検討するなら、両者をきちんと把握してしっかりと比較することで、後悔のないようにすることをおすすめします。

中には低品質な無機塗料もありますので、塗料を選ぶときには口コミ・評判で品質を確かめて、なるべく高品質な無機塗料を選ぶのがいいでしょう。

無機塗料で外壁を塗装するなら、無機塗料の特性を最大限に生かす技量をもつ施工社に頼むのが一番です。DIYで無理に施工しようとせず、無機塗料の扱いに長けた業者に外壁塗装を依頼してください。

イロドリからのアドバイス

私たちイロドリも「無機フッ素塗料」を使用するプランをご用意しておりますので、東京・神奈川・埼玉の外壁塗装などのお悩みはイロドリ株式会社までご相談くださいませ!

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